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裏側矯正で口内炎ができる原因と対処法を医師が解説

2026.10.07
裏側矯正で口内炎ができる原因と対処法を医師が解説

裏側矯正(舌側矯正)を始めると、舌に口内炎ができやすくなります。

とくに装置をつけてから最初の1ヶ月ほどは、舌の側面に痛みを感じる方が少なくありません。

この記事では、裏側矯正で口内炎ができる原因や種類、痛みを和らげる5つの対処法、そして繰り返さないための予防策を矯正歯科の視点からわかりやすく解説します。

裏側矯正で口内炎ができやすい理由

裏側矯正で口内炎ができやすい理由

「裏側矯正を始めてから、舌に口内炎が何度もできるようになった」という相談は臨床の場でもよく耳にするものです。

表側矯正とは装置の位置が異なるぶん、口内炎ができる場所や原因にも違いがあります。

矯正装置と舌の摩擦が主な原因

裏側矯正では、歯の裏面にブラケットとワイヤーを装着します。

この位置は舌が常にふれる領域にあたるため、会話や食事のたびに舌が装置と摩擦を起こしやすいのが特徴です。

表側矯正であれば唇や頬の内側が装置と接触しますが、裏側矯正では舌の側面や裏面が直接あたります。

舌は口腔内でもっとも動きが大きい器官のひとつ。

装置に慣れるまでは無意識に舌で装置を触ってしまい、傷ができてそこから口内炎に発展するケースが多いのです。

さらに、ワイヤーの端がわずかに飛び出していたり、ブラケットの角が粘膜にあたったりすることも原因になります。

こうした物理的な刺激が繰り返されると、傷の治りが追いつかず、慢性的に口内炎ができやすい状態が続くこともあります。

表側矯正やマウスピース矯正との違い

矯正の方式によって、口内炎のできやすさや発生場所には違いがあります。

•表側矯正:唇の裏側や頬の内側にできやすい

•裏側矯正:舌の側面や裏面にできやすい

•マウスピース矯正:装置の縁が歯ぐきにあたって傷ができることがある

裏側矯正は3つのなかでもっとも舌への負担が大きく、口内炎の発生頻度もやや高めといわれています。

一方で、装置が外から見えないという審美的なメリットは裏側矯正ならではの強みです。

口内炎のリスクだけを理由に裏側矯正を避ける必要はありません。

対処法と予防策を知っておけば、痛みをコントロールしながら治療を進めることは十分に可能です。

矯正中にできる口内炎の種類

矯正中にできる口内炎の種類

口内炎と一口にいっても、原因や見た目によって種類が異なります。

裏側矯正中にとくに起こりやすいのは「カタル性口内炎」と「アフタ性口内炎」の2種類がございます。

それぞれの特徴を知っておくと、適切な対処がしやすくなるはずです。

カタル性口内炎(装置の刺激が原因)

カタル性口内炎は、矯正装置の物理的な接触によって粘膜が傷つき、そこに炎症が起きたものです。

•粘膜が赤く腫れ、境界がぼんやりしている

•ヒリヒリとした痛みがある

•唾液の量が増え、口臭が強くなることもある

裏側矯正で最も発生頻度が高いのがこのタイプで、装置をつけた直後やワイヤーを調整した直後に起こりやすい傾向があります。

アフタ性口内炎との見分け方は、患部と周囲の粘膜の境界がはっきりしているかどうかです。

カタル性は境界がぼやけているのが特徴です。

アフタ性口内炎(免疫力低下・栄養不足が原因)

アフタ性口内炎は、直径2〜10mm程度の白い潰瘍が舌や頬の粘膜にできるタイプの口内炎です。

•白い潰瘍のまわりが赤く縁取られている

•食べ物や飲み物がしみて強い痛みを感じる

•通常は1〜2週間で自然に治る

装置の刺激だけでなく、疲労やストレス、睡眠不足、ビタミンB群の不足などが重なるとできやすくなります。

矯正治療中は装置への違和感から食事量が減ったり、食べるものが偏ったりしがちなので、栄養バランスが崩れてアフタ性口内炎を招くケースも見受けられます。

参考:口内炎の症状・原因(第一三共ヘルスケア)

裏側矯正の口内炎はいつまで続く?

裏側矯正の口内炎はいつまで続く?

裏側矯正を始めてから口内炎がもっとも頻繁にできるのは、装置をつけてからおよそ1ヶ月間です。

この期間は舌がまだ装置の存在に慣れておらず、無意識に装置に触れてしまうため傷ができやすい時期にあたります。

個人差はあるものの、2〜3ヶ月ほど経過すると舌の動かし方が自然と変わり、装置にあたりにくくなる方がほとんどです。

粘膜自体もある程度「角化」が進んで刺激に強くなるため、最初の頃に比べると口内炎の頻度は目に見えて減っていきます。

ただし、ワイヤーの調整日には再び口内炎ができやすくなることがあります。

調整後1週間ほどは口内炎ができやすい期間と考え、あらかじめ対処グッズを準備しておくと安心でしょう。

2週間以上経っても口内炎が治らない場合は、ほかの病気が隠れている可能性もあります。

ベーチェット病や口腔がんの初期症状として口内炎に似た潰瘍が出ることもあるため、長引くときは担当の歯科医師に必ず相談してください。

裏側矯正で口内炎ができたときの5つの対処法

裏側矯正で口内炎ができたときの5つの対処法

口内炎ができてしまった場合、「痛いけどガマンするしかない」と思い込んでいる方は少なくありません。

実際には、自宅でできるセルフケアと歯科医院での処置を組み合わせることで、痛みを早めにやわらげ、治りを促すことが可能です。

矯正用ワックスで装置をカバーする

矯正用ワックスは、粘土のように柔らかい保護材です。

装置が当たって痛い箇所にワックスを貼りつけると、クッション代わりになって舌への刺激を軽減できます。

使い方の手順は次のとおりです。

  1. 手洗いと歯磨きで口腔内を清潔にする
  2. ワックスを米粒大〜小豆大にちぎって丸める
  3. ブラケット周辺の水分をティッシュで拭き取る
  4. ワックスをブラケットにゆっくり押し付けて密着させる

持続時間は2〜3時間程度で、食事のあとは付け替えが必要です。

口内炎ができる前の予防としても使えるため、装置をつけた直後やワイヤー調整直後にあらかじめ貼っておくのがおすすめです。

矯正用ワックスは歯科医院で処方されるほか、ドラッグストアやインターネット通販でも購入できます。

価格は100〜1,000円程度で、いくつかのメーカーから発売されています。

市販の口内炎薬で応急処置をする

軟膏タイプ・貼るタイプ・スプレータイプなど、市販薬にはさまざまな種類があります。

口内炎の場所や大きさに合わせて使いやすいものを選びましょう。

舌にできた口内炎には、患部に直接貼れるパッチタイプが比較的はがれにくく使いやすいという声もあります。

ただし、あくまでも対症療法であり、装置そのものの刺激が続く限り根本的な解決にはなりません。

症状が改善しない場合は自己判断を続けず、歯科医院で相談してください。

歯科医院で装置を調整してもらう

いつも同じ場所に口内炎ができる、痛みが強くて食事がとれないといった場合は、装置の一部が粘膜に過度に当たっている可能性があります。

担当の矯正医にワイヤーの端を処理してもらったり、ブラケットの位置を微調整してもらったりすると改善するケースは珍しくありません。

「次の予約まで我慢しよう」と思わず、痛みがつらいときは早めに連絡を入れるのが治療全体をスムーズに進めるコツです。

刺激の強い食べ物を避ける

口内炎がある時期は、辛い食べ物・酸味の強い食べ物・熱すぎる飲食物は患部を刺激して痛みを増幅させます。

柔らかく味付けの穏やかなメニューを選ぶだけで、口内炎の治りに差が出るものです。

ビタミンB群を積極的に摂る

ビタミンB2やB6は粘膜の健康維持に欠かせない栄養素です。

不足すると口内炎ができやすくなることが知られています。

ビタミンB群を多く含む食品には、レバー、卵、納豆、牛乳、ほうれん草、バナナなどがあります。

食事だけで十分に摂れないと感じるときは、ビタミンB群を含むサプリメントを活用するのもひとつの方法です。

もっとも、サプリメントはあくまで補助的な位置づけ。

まずは毎日の食事のなかでバランスよく栄養を取ることを意識していきたいところです。

裏側矯正中の口内炎を予防する3つの習慣

裏側矯正中の口内炎を予防する3つの習慣

口内炎は「できてから対処する」よりも「できにくい環境をつくる」ほうが断然楽です。

日ごろからの小さな習慣が、口内炎の頻度を大きく減らしてくれます。

口腔内を清潔に保つ

裏側矯正中は装置の周囲に食べカスや歯垢がたまりやすく、細菌が繁殖しやすい環境になります。

毎食後の丁寧なブラッシングに加えて、タフトブラシやデンタルフロスを使って装置周辺の汚れをしっかり取り除くことが口内炎予防の基本です。

殺菌成分入りの洗口液を併用すると、ブラシが届きにくい部分の細菌量を減らすのに役立ちます。

規則正しい生活で免疫力を維持する

睡眠不足やストレス、過度な疲労は免疫力を下げ、アフタ性口内炎の大きなリスクファクターになります。

多くの患者さんは、装置を付けた直後にできた口内炎が1ヶ月ほどで落ち着いてきます。

ところが、仕事が忙しい時期や体調を崩したタイミングで再び口内炎が増えるケースは珍しくありません。

十分な睡眠とバランスの取れた食事を心がけ、免疫力を下げない生活リズムを保つことが、口内炎予防の土台になります。

定期通院で装置の状態を確認する

裏側矯正の通院頻度はおおむね1〜2ヶ月に1回です。

この定期通院では歯の動きをチェックするだけでなく、装置に破損やゆるみがないか、ワイヤーの端が粘膜にあたっていないかも確認します。

装置の不具合を放置すると口内炎の原因になるだけでなく、歯の移動にも悪影響が出ることがあります。

「いつも同じ場所に口内炎ができる」「装置に触れると一部だけ引っかかる」といった違和感がある場合は、次の予約を待たずに早めに受診しましょう。

まとめ

まとめ

裏側矯正で口内炎ができやすいのは、おもに装置と舌の摩擦が原因です。

カタル性口内炎とアフタ性口内炎の2種類を理解し、矯正用ワックスや市販薬、食事の工夫などで対処すれば、痛みを抑えながら治療を続けられます。

口腔ケアの徹底・ビタミンB群の摂取・十分な休息の3つを日常的に意識するだけで、口内炎の発症頻度はぐっと抑えられるはずです。

あおい矯正歯科では、日本矯正歯科学会認定医・臨床指導医による丁寧なカウンセリングのもと、裏側矯正をはじめとした幅広い矯正治療をご提供しています。

口内炎のケアや装置の調整にも細やかに対応しておりますので、裏側矯正の口内炎でお困りの方はお気軽にご相談ください。

初診相談は無料です。

「口内炎が心配で裏側矯正に踏み出せない」という方も、まずは一度ご来院いただければ、あなたに合った治療プランとケア方法を一緒に考えていけるはずです。

記事監修 あおい矯正歯科医院長 本田 領
記事監修 あおい矯正歯科医院長 本田 領

略 歴

  • 平成11年

    大阪歯科大学卒業
    同大学大学院(歯科矯正学)

  • 平成15年

    同大学大学院卒業
    同大学 非常勤講師

  • 平成16年

    同大学 常勤助手

  • 平成19年

    同大学 常勤助教

  • 平成20年

    山脇矯正歯科 副院長

  • 平成24年

    あおい矯正歯科 医院長

  • 平成26年

    あおい矯正歯科 理事長(医院長兼務)

所属学会・資格

  • 博士(歯学)日本矯正歯科学会認定医・指導医

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